船橋市薬円台の内科・小児科・心療内科クリニック
薬園台クリニックからのメッセージ

母の手術−A
その夜、私は何通かのメールを同期の外科のドクターや友人のドクター、そして、僕の最も信頼している病理のドクターの太田君に送りました。
母には次の病院は少しだけ考えさせてくれと連絡をしておきました。メールの内容は身内が乳癌になったことが分かった、どこの病院の誰に今後の検査・治療を依頼すればよいと思うか?情報を下さい。という内容でした。太田君とS先生にだけ母のことを書きました。
翌日になり、メールの返事が返ってきていたので、それをチェックしました。S先生とは電話で連絡をとりました。朝の8時ころ、太田君から電話が来ました。「メール読みました。病理組織を見てみないと確かなことは言えないけれど、症例数が多くて、かつ、信頼できて、ある程度先生の顔が利くところでと考えると、今、うちの乳腺外科の部長をしている川端先生はいいんじゃないかな?症例も1000を超えてるし、医局は東大だから、先生も繋がってるし、もし、うちでやるなら、病理診断は僕がやりますから、先生に情報をリアルタイムに近い状態で報告できますよ。川端部長にはもしよければ、僕から話しておきますよ。先生のこと言っていいんですよね?」というものでした。感謝の意を述べ、少し考えさせてほしいと言って、いったん、電話を切りました。
みんなの意見を参考にし、適当な医療機関をい3つに絞りました。そして、各々のドクターの業績や論文、症例数を調べ、周囲のドクターの感想を聞いてみました。そして、一番適当と思われるドクターと病院と考えた結果、太田君の推薦する虎の門病院の川端先生が良いという結論に達しました。(ほかの2つの医療機関とドクターを知りたい方はメールをくださいませ。)
早速。太田君に電話をして、紹介を頼みました。「わかりました、先生。早速昼休みにでも話を通しておきます。後ほど連絡をするので、その後に、先生から川端部長に連絡を入れてもらっていいですか?なるべく。急ぎましょう。先生も心配でしょう、そんなに、進んでいないといいですね。大きさはどれくらいですか?1cmですか、うーん。微妙ですね。まあ、組織をみたら、先生にすぐ、連絡をしますよ。」と太田君は言っていました。
午後、川端教授に電話をしました。「太田先生から、お話は伺っています。分りました、もう一度エコーをしてもいいですか?なるべく早く、診断をつけて、悪性だったらすぐに治療をしましょう。では、金曜日にいらしてください。セッティングしておきますから。わざわざ、ありがとうございます。」と快く川端先生は診察を引き受けてくださいました。
金曜日になりました。母は予定通り川端先生の診察を受け、その日だけでエコー、マンモグラフィーをして、エコーガイド下で生検もしました。あとは、病理の診断を待つだけでした。時間が遅く感じられました。「良性であってほしい。」と心底思いました。
夜になって、太田君から連絡が来ました。「先生、まず、先生のエコーの見立て通り癌組織です。ただし、ラッキーなことに、浸潤はありません。先生がよくご存じの、いわゆる、胃がんや、大腸がんだったら、ポリペクできるやつと同じですよ。川端部長にもついさっき、報告しましたが、すぐ。オペを組み入れるそうです。術後のホルモン療法もいりませんよ。あとは、術前に一応、腋下リンパ節転移がないかを迅速診断でつけるだけですよ。」という連絡でした。やはり、母の病気は乳癌でした。しかし、幸いなことに浸潤はないとのこと、太田君ありがとうと思いました。
数日後、母が」川端先生の外来を再診した時に、川端先生から話があり、乳癌の告知と手術をする旨、入院の日程、どんな手術かなどの話が聞かされました。母は私に「手術をします、良い先生を紹介してくれてありがとう、私は大丈夫だから、患者さんをしっかり診察してください。○○ちゃんと川端先生に任せますから、よろしくお願いします。」としっかりと、動揺は感じられない言葉を私に伝えました。私は、ノータッチだった部位に癌ができたのに、何も言わずに、そして、心配させないようにであると思われましたが、気丈に話す母に申し訳なさで一杯でした。そして、「この人と過ごせる時間をもう少しだけ下さいまだ、私は全然親孝行をしていないのです。親孝行をさせてください。お願いします、神様。」と普段は全然しない、神様へのお願いをしてしまいました。といっても、部屋で手を合わせて、お願いします。祈っただけですが。。
そして、予定通り手術が川端先生執刀で施行されました。腋下リンパ節への転移もなく短時間で手術は終了し、数日後母は退院しました。
(エピローグ)
現在、母は乳癌の手術のことを忘れさせるくらい元気に毎日を過ごしています。私が、何かをしてあげようとすると、いつもそんなことはしなくていいと言って断ります。私は的確で的を得たアドバイスをくれた太田先生、そして、期待以上に手早く、そして正確に診断をつけて、手術をしてくれた川端先生に大変感謝をしています。
私が安堵し、突然の乳癌という病気の発見、そして、ノーチェックな所に癌ができ、自分の甘さを責めたこと、母の命の心配などを引きずることなく毎日の生活を送れるのは次の川端先生の言葉のおかげです。
「10年は絶対に大丈夫と保証しますよ。」
みんな、特にいつも、私の依頼を快く引き受けてくれる太田君、そして、期待していた通り、いえ、それをはるかに上回る、行動をしてくださった川端先生、どうもありがとうございます。
(終了)

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