薬円台の内科クリニック薬園台クリニック亜急性甲状腺炎情報

亜急性甲状腺炎



亜急性甲状腺炎とは

 
 
 ウイルス感染によると考えられている甲状腺の炎症のため、甲状腺の腫大と圧痛をきたす疾患です。好発年齢は30〜50代で、男女比は1:3〜6で女性に多い疾患です。

亜急性甲状腺炎の症状


 
 亜急性甲状腺炎では甲状腺の腫脹と著明な圧痛、自発痛、嚥下痛が出現します。痛みは下顎や耳介に放散し、嚥下により増強します。1/3ほどの症例では咽頭痛、熱感などの上気道炎様症状が先に出現することがあります。発熱、倦怠感、筋肉痛などの全身症状を伴うことも多いです。甲状腺腫は非常に硬く、両葉が腫大している場合と一方のみの場合があります。また数日から数週間の経過で炎症が一側から他側に移動することも多いです。
 甲状腺の組織破壊により貯蔵されていた甲状腺ホルモンが血中に放出されるため、活動期には血中甲状腺ホルモンが上昇し、約半数に動悸、発汗、振戦などの甲状腺中毒症状が出現します。数週間持続した後、中毒症状は消失し、20〜30%の症例では一過性の甲状腺機能低下の時期を経て、正常化します。永続的な甲状腺機能低下となる例も5%程度あります。通常全経過は4〜6か月となります。

亜急性甲状腺炎の検査


 
 亜急性甲状腺炎の炎症の急性期には甲状腺濾胞の破壊のため,血中甲状腺ホルモンが高値となり、そのためTSHは低下します。サイログロブリンも漏出し高値となります。TSHの抑制と甲状腺濾胞細胞の障害のために甲状腺放射性ヨード摂取率は著しく低下します。また甲状腺超音波検査では著明な低エコー所見を認めます。抗TSH受容体抗体、抗甲状腺自己抗体は一般に陰性ですが、抗原の漏出のため一時的に陽性になることもあります。赤沈が著明に亢進し、しばしば1時間値が100mmを超えることもあります。CRPも高値となりますが、白血球数は増加せずに正常〜軽度上昇にとどまります。
 急性期が過ぎると炎症所見は消失し、濾胞細胞の機能が回復するのに伴い甲状腺のヨード摂取率が上昇します。血中甲状腺ホルモン値は下降し、時に正常以下の時期を経た後、正常になります。抑制されていたTSHは、甲状腺ホルモンの正常化に従って上昇してきます。

亜急性甲状腺炎の予後


 
 甲状腺ホルモンレベルは初期には上昇するが、通常4〜6か月の経過で正常化します。一部の永続的な機能低下群を別とすれば、甲状腺機能の障害はありません。一度罹患すると免疫ができるため、再罹患はないといわれています。

亜急性甲状腺炎の治療


 
 軽症例で発熱や疼痛が強くなければ、無治療で経過をみるか、非ステロイド性消炎鎮痛薬を使用します。重症例では副腎皮質ステロイドを使用します。副腎皮質ステロイドは非常に有効で、使用後1、2日で甲状腺の疼痛と炎症所見は劇的に改善します。通常30mg/日程度のプレドニゾロンを1週間程度使用し、4〜6週かけて漸減中止します。治癒の判定は、CRP、赤沈の正常化、甲状腺放射性ヨード摂取率の正常化で決定します。

薬園台クリニックでは甲状腺の腫大と圧痛を認める患者様には特に注意を払って診察をしております。亜急性甲状腺炎の患者様には適切な治療と見通しをご提示させていただきます。また急性期後の甲状腺機能低下に対しても最適な処置を行う用意を常にしております。症状に心当たりのある方は是非一度御来院し、診察を受けられることをお勧めいたします。


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